3.響板 | ||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
響板に必要とされる特性は以下です。
振動伝播速度が速い木材がスプルースであるということを前述しましたが、鍵盤を押してから音が出るまで反応が良くなければ良いピアノとは言えません。 比重が小さいということは、小さな音にも反応するということです。無駄なく弦の振動を響板に伝え、無駄なく空気を振動させることによって広いダイナミックレンジを実現します。 柔軟性を持ち弾力性に富むということは、響板が良くしなって空気を振動し元の形に復元することが容易であるということです。 良い音色であるということは、弦振動の倍音を無駄なく伝えることによって音色を変化させないということです。 以上の条件に最も適したスプルースを柾目に約15センチ幅に切断して張り合わせます。一般的に木目幅が狭い方が高音に適していて、木目幅が広い方が低音に適しています。 響板の厚さは7〜10ミリの範囲内で、形状はフラット型・テーパー型・カマボコ型があります。駒からの約400kgの圧力に耐え安定した状態で振動するために中央が膨らんだクラウン形状にします。弦の下圧力約400kgがかかってフラットになるよう設計してあります。
|
||||||||
4.響棒 | ||||||||
響棒の目的は以下です。
響棒も響板同様、柾目の板を使います。木材の性質として木目方向と木目の垂直方向では伝播速度が1.5〜2倍違います。
@振動伝播速度 ・・・ 5,500 m/s 柾目板の弾力も木目方向と木目の垂直方向では2〜3倍違います。従って響棒を取り付けることによって、響板をまるで一枚の柾目板であるようにします。 |
||||||||
|