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木の話

1.ピアノに使われる木材
 木がピアノ全体に占める重量の割合は54〜57パーセントです。主にピアノに使われる木材はスプルース(松)と楓です。
その代表的な部品と材質についてご説明します。
部材 比重 伝播速度 aT方向
伸縮率
aR方向
伸縮率
仕様箇所
スプルース 0.45 5,500 m/s 0.33% 0.15% 響板
鍵盤
支柱
0.68 4,300 m/s 0.30% 0.11%
アクション
ピン板
ぶな 0.65 3,900 m/s 0.34% 0.14% 支柱

 スプルースは楽器部材の中で一番比重が小さく、音響伝播速度が速いのです。以外に思われるかもしれませんが鉄は1秒に5,100メートルで、スプルースの方が速いのです。そして、比重が小さいということは音波を増幅するのにロスがないということです。
(因みに鉄の比重は 7.9 )
 従って、響板にはスプルースが最適な部材なのであります。(ファッツオリ社のピアノはバイオリンに使われるモミを響板に使用しています。)

 楓はスプルースと比べると伝播速度はわずかに劣りますが、伸縮率が小さいので響板のように湿度対策のためにニスを塗れない駒に適しています。

 

2.木材の伸縮率
 木材はその木目の方向によって、乾燥時の伸縮率が違います。
 

 aL : aR : aT = 3〜4 : 50〜60 : 100

木材の伸縮率は一般的に aT方向を 100とした場合、
aL方向は3〜4、aR方向は50〜60になります。

 

 

ピアノには柾目材が使われます。

木材は生木の状態で含水率が60%以上あります。
柾目に切り出された木材は約10年かけて天然乾燥され
18〜20%まで含水率を下げます。
そして用途に応じて人工的に10%以下まで乾燥させます。

 

 それでは次に各部品についてご説明します。